NFL史上最高QBブレイディ電撃移籍。ペイトリオッツを離れた真相は? (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO


 ちなみに、フロリダ州では州所得税がかからない。そのため、たえとば州所得税が最大13.3%のカリフォルニア州のチームでプレーするよりも、年俸が同額なら実入りは多くなる。

 経済的なところは置いておくとして、ブレイディがいまだにNFLの第一線でプレーしていることに驚く。来季開幕時には43歳となっているが、年齢のことだけを言っているのではない。彼のプロ入りの経緯を振り返ると、余計にそう思わされるのだ。

 少し古いものになるが、米スポーツ専門局ESPNが2011年に放映した『ブレイディ6』というドキュメンタリーが白眉だ。「6」とは2000年ドラフトでブレイディよりも上位で指名された6人のQBのことを指している。

 ブレイディは同ドラフトの6巡目・全体199番目と、のちの大きな成功を思えば信じがたいほどの低評価でプロ入りしている。同番組で紹介された彼のスカウト評価は「身体ができていない」「やせている」「身体能力に欠け、強さもない」「肩の強さがない」「ボールの回転がよくない」などと散々だ。

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