2020.01.19

スーパーボウルまであと一歩。
ファイナル4「勝利の方程式」を読み解く

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 ディビジョナルラウンドのヒューストン・テキサンズ(10勝6敗)戦は、まさにこのふたりで勝ったと言っても過言ではない。序盤に0−24という絶望的なリードを許してしまう展開となったが、マホームズからケルシーへのTD(タッチダウン)パスを第2クォーターだけで3本通して逆転。最終的に51得点も奪い、恐ろしい爆発力を見せつけた。

 マホームズは今季、20ヤード以上のロングパスTDをリーグトップの12本も決めている。それは、ケルシー抜きには考えられない数字だ。1試合平均得点リーグ1位のレイブンズがディビジョナルラウンドで消えた今、チーフスに第4回大会以来となるスーパーボウル進出のチャンスが訪れた。

 対するタイタンズは、AFCで最下の第6シードながらワイルドカードでペイトリオッツ、ディビジョナルラウンドでトップシードのレイブンズを撃破し、最も勢いに乗っている。

 その快進撃の源は、今季ランでNFLトップの1540ヤードをマークしたRB(ランニングバック)デリック・ヘンリーだ。ペイトリオッツ戦では182ヤード、レイブンズ戦では195ヤードと大暴れ。スターQBによるパス重視の時代が続くなか、タイタンズは重戦車のような男のグラウンドゲームで勝ち上がってきた。

 ヘンリーは身長192cm・体重112kgと、現代のNFLでは異例と言えるほどの巨体を誇る。だがその一方、40ヤードを4秒5で走る俊敏性も兼ね備えている。

 ヘンリーを止めるために、相手チームはボックス(攻撃ラインの前方5~10ヤードに仮想される箱状のエリア)に通常よりも多い8人もの守備陣を配置して対処しようとするが、それでも突破されてしまう。ボックス内に8人のディフェンダーがいる状況で、今季のヘンリーはラン1回平均5.0ヤードを記録。これはリーグ1位の数字だ(米フットボールサイト『プロフットボールフォーカス』調べ)。

 そのヘンリーの影に隠れる形ながら、今季驚くべき働きを見せているのがQBライアン・タネヒルだ。タネヒルは今季マイアミ・ドルフィンズ(5勝11敗)から移籍してきたが、開幕時は2015年ドラフト全体2番目指名のマーカス・マリオタの控えだった。