2019.12.14

おりひめジャパン、選手の目に涙。
強豪相手に「ふたつの課題」が露見

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 それでも、最終戦のルーマニア戦にヒントがあった。ルーマニアのPVは身長192cm、体重85kg。スペイン戦の反省を生かして日本が遂行した作戦は、PVにボールが渡る前に勝負すること。永田は言う。

「9メートルライン前後で駆け引きしながら守ろう、と。それをうまく使って、前後で連動できたときはパスカットもできた」

 実際、前半から永田がPVへのパスをカットして攻撃につなげる場面が複数あった。PVにボールが渡ってもすぐに隣の選手がフォローに入り、複数人で圧力をかけていく。大型PVに仕事をさせない守備がこの試合ではできていた。「それでも」と櫛田亮介コーチは言う。

「ルーマニアはロングシューターがいなかったから、PVに対して守りやすかった。ルーマニア相手に守れたからといって、スペインやモンテネグロ相手に守れるかというと、それはわからない」

 どのチームに対しても守れること。これは、東京五輪までに残された約7カ月で日本が解決せねばならない宿題だ。

 スウェーデン、ロシア、モンテネグロ、スペイン……。五輪にも出てくるだろう欧州の難敵から勝ちはもぎ取れなかったが、勝負できると感じさせる試合だった。これからの底上げ次第では、44年ぶりの五輪の舞台でも十分に戦える。大会前にケガで離脱した横嶋彩(北國銀行)、原希美(三重バイオレットアイリス)という攻守の要が復帰できれば、チームはまた強くなる。

 あと少しに見えて、まだ明確にある差。最終戦のルーマニア戦後、永田は「それぞれの(日本ハンドボールリーグ)の所属チームに戻るけど、各自が日本代表として日本の戦いを意識したプレーや、五輪を見据えたプレーをしていかないといけない」と力を込めて言った。

 東京五輪の初戦は来年7月26日。残されたわずかな時間で、でき得るすべてのことをしなければならない。

 パークドーム熊本で流した涙を、国立代々木競技場で笑顔に変えるために。

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