2019.12.14

おりひめジャパン、選手の目に涙。
強豪相手に「ふたつの課題」が露見

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 課題が明確に表れた試合だった。

 ひとつ目の課題は、数的優位の局面で得点を重ねられないこと。この試合、勝ちを引き寄せる絶好機は3度あった。1度目は後半14分すぎに日本が得点して23-23となった場面。直後に相手選手がひとり、2分間退場になって日本は数的優位になった。しかし逆に失点してそのあとに石立も2分間退場。この好機を生かせなかった。

 2度目は25-25の後半19分過ぎ。再び相手選手のひとりが2分間退場になった。しかし、数的優位に立ったはずの2分間でスペインが1点を奪ったのに対し、日本は無得点。さらに後半22分過ぎの26-27の場面で、またも相手がひとり少なくなったが、その間の得点は1点ずつ。勝つために点を取らねばならないところで、取り切れない。そのもどかしさを永田はこう表現した。

「相手が数的不利なのに、そこで失点するというところが……。そこが弱いところじゃないかと思います」

 人数がひとり減った相手は、攻撃局面ではGKを下げ、コートプレーヤーを6人にして攻めてくる。そのため、日本が守るときは一概に有利とは言えず、失点はやむを得ないところがあった。ただ、日本が攻撃する局面では、相手守備5人に対して日本の攻撃は6人。物理的にひとり多い有利な局面にもかかわらず、それを生かして得点することができなかった。

「パスが横回しになって、前を狙うことが少なかった。相手が積極的に(前に)出ていたので、判断が鈍った部分もあるかもしれない」と永田は言う。数的に不利な相手は、攻撃の芽を早めに摘むために前に出て距離を詰め、アグレッシブに守ってくる。それをいなして攻め込み、得点をもぎ取る力が足りなかった。

 もうひとつの課題は、大柄なPV(ポスト)に対しての守り方だ。スペインが多用してきたのは中央からの強引な突破。身長180cm、体重88kgのPVヘルナンデスにボールを集め、日本のPV永田(身長172cm、体重76kg)との体格差を生かして日本の守備網をこじ開けた。必死に止めようとするとファウルを取られ、相手に7メートルスローを与えてしまう。少しでも引くと、そこからシュートを放たれる。「(相手を自分の)前に置いてしまったときに、押されたら一緒に倒れてしまった」と永田は振り返った。

 大柄なPVに対して守るのは容易ではない。キルケリー監督も「背の高いポストに対してすべてをコントロールできる試合はない」と言う。