圧倒的強さ。水谷隼が2年目のTリーグ開幕戦でチームを勝利に導く (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by AFLO

 ダブルスについて森薗は「1ゲーム目の負けた内容を2ゲーム目以降に生かし、自分たちでうまく戦術転換することができた」と勝因を挙げ、「相手は東京五輪に出る可能性のあるペア。この一戦で勝つことができたのは自信になった」と喜びを語った。

 先制を許した木下は、大黒柱である水谷が第2マッチに登場。対する岡山は、昨シーズン張本を2度破るなどブレイクを果たした吉村和弘だった。

 1ゲーム目から、なかなかエンジンがかからない吉村に対して、水谷はフルスロットル。サーブから試合を優位に進め、強烈なドライブを連発。戦術に対応できず後手後手となった吉村をそのまま押し切り、水谷が11-3で先取した。

 2ゲーム目以降も、その勢いは止まることを知らない。吉村も徐々にエンジンがかかり、前半は5-5と接戦を繰り広げるが、その後は水谷が思い切りのいいドライブで得点を重ね、11-6でゲームを連取。続く3ゲーム目も安定した攻撃でリードを保ったまま11-8で奪い、圧巻のストレート勝ちをみせた。

 まさにキャプテンとして大車輪の働きを見せた水谷は、「今日はフォアハンドのミスが少なかったことが良い結果につながった」と試合を振り返った。

 続く第3マッチは、木下は今年の全中国選手権シングルスで優勝した39歳のベテランカットマン、ホウ・エイチョウ。そして岡山は、今シーズンから新加入した町飛鳥が登場した。1ゲーム目から落ち着きを見せた町は、緩急をつけたドライブでホウを揺さぶり、相手のミスを誘発。そのまま流れを掴み、11-6で先手を取った。だが、2ゲーム目からはホウにペースに握られてしまう。町はホウの多様な戦術、キレたカットの回転に対応し切れず、そのまま3連続でゲームを落とし、Tリーグデビュー戦を白星で飾ることができなかった。

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