卓球の五輪代表争いがますます激化。「3強」に割って入るのは? (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by Kyodo News

 3月時点での日本人選手上位の世界ランキングとポイントは以下のとおりだ(☆がついているのは世界選手権に出場する選手)。

【男子】
4位・張本智和(14625ポイント)☆
9位・丹羽孝希(12466ポイント)☆
10位・水谷隼(12165ポイント)☆
26位・吉村真晴(9162ポイント)
29位・上田仁(9024ポイント)
31位・大島祐哉(8779ポイント)
45位・森薗政崇(7251ポイント)☆
55位・松平健太(6914ポイント)
59位・吉村和弘(6426ポイント)☆

【女子】
4位・石川佳純(15248ポイント)☆
7位・伊藤美誠(13880ポイント)☆
9位・平野美宇(13065ポイント)☆
12位・佐藤瞳(11628ポイント)☆
14位・芝田沙季(11142ポイント)
20位・加藤美優(9924ポイント)☆

 男子は張本、丹羽、水谷の"三つ巴"。女子も同じく石川、伊藤、平野がリードしているが、男子よりも混戦状態にある。世界卓球選手権で佐藤や加藤が上位3人を上回る成績を残せば、代表入りのチャンスは大きくなるだろう。

 そして東京五輪の残る1枠は、日本卓球協会の推薦によって決められる。

 団体戦でのダブルスの相性などが考慮されるため、必ずしも世界ランキング上位の選手が選ばれるとは限らない。男子では森園がTリーグでも抜群の存在感を見せたが、女子で期待できる選手となると、やはり早田ひなになるだろう。同学年の伊藤との"みまひな"ペアで全日本選手権2連覇を達成し、平野とペアを組んで臨んだ2017年のワールドツアープラチナ・ドイツオープンでも優勝するなど、輝かしい実績を残している。

 シングルスでも成長著しい早田だが、現在の獲得ポイントは8068ポイントで、世界ランキングも37位(日本人選手で10位)と、昨年の最高12位からランキングを落としている点が気がかりだ。いくらダブルスが強くても、今のランキングのままでは選考の際に難色を示される場合もある。

 早田は世界選手権の選考会でも加藤に敗れたため、3月9日に発表される代表ペア(ダブルス2ペア、混合ダブルス2ペア)として出場することが濃厚。世界選手権のダブルスでは、世界ランキングに関わるポイントを得ることができないが、それでも世界の強豪相手に勝利を積み重ねてアピールし、獲得ポイントが大きい3月26日開幕のワールドツアープラチナ・カタールオープンへとつなげたいところだ。

 稀に見る混戦となった東京五輪の代表争い。とくに女子は最新のランキングで10人が世界50位以内につけるなかで、誰がその座を勝ち取るのか。いよいよ選考レースが本格的にスタートを切る。

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