Tリーグ初代王者を占う後半戦。男女の優勝争いでカギになるのは? (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by Tsukita Jun/AFLO SPORTS

 だからこそ、リベッツにとっては2戦目以降の勝敗が後半戦のカギを握ることになるだろう。そのキーマンとなりうる選手が、吉村真晴の弟・和弘だ。彼は昨年5月に行なわれたITTFワールドツアー香港オープンの男子シングルスで初優勝を飾ると、同年11月の全日本学生選抜卓球選手権でも初優勝を果たし、現在、著しい成長を遂げている。

 そして、その勢いは止まることを知らない。昨年12月27日の木下戦、4番手で松平健太を3-1で倒すと、1ゲームのみのビクトリーマッチで張本を11-5で下し、逆転勝利でチームを救ってみせた。そんな覚醒の時を迎えている吉村の勢いと、上田・森薗ペアの抜群の安定感があれば、"逆転のシナリオ"がおのずと見えてくるはずだ。

 4位の琉球アスティーダは、首位と勝ち点12差と少し遅れを取っているのが現状ではある。だが、ダークホースとして台頭し、下馬評を覆す可能性もゼロではない。アスティーダにはエースの丹羽孝希を筆頭に、2013年世界選手権の男子ダブルス覇者である荘智淵(ジュアン・ジーユアン)と陳建安(チェン・ジエン・アン)の台湾コンビなど、ライバルを追撃する上で必要な戦力は揃っているからだ。

 開幕からまさかの3連敗スタートで波に乗ることはできなかったが、個人ランキングに目を向けると、丹羽が8勝を挙げて2位、5位の陳と6位の荘がそれぞれ6勝と、決して選手の状態が悪いわけではない。

 波に乗れない要因としては、前半戦で一度も連勝ができなかったことが挙げられるだろう。これはリベッツにも言えることだが、順位を上げるためには連勝が必要不可欠。勝ったり負けたりを繰り返すままでは、チームを勢いづかせることはできない。だが、逆に言えば、一度「連勝の味」を知ることができれば、終盤で一気に首位争いに躍り出ることも夢ではないはずだ。まずは最下位脱出へ向け、着実に勝利を積み重ねていくことが重要だ。

 先に"木下攻略"の糸口を見出すチームはどこなのか、それともこのまま木下が独走状態のまま走り抜けるのか。最後まで目が離せない展開が待ち受けていそうだ。

 一方、女子は男子の"木下1強状態"と違い、優勝は木下アビエル神奈川と日本生命レッドエルフの2強に絞られている。

 アビエル神奈川が11勝2敗で勝ち点38と圧倒的な数字を残し、そこに日本生命が10勝3敗で勝ち点32となんとか食らいつく。3位の日本ペイントマレッツは勝ち点12、最下位のトップおとめピンポンズ名古屋は勝ち点9と、残り8試合で巻き返すのは厳しいだろう。

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