NFL「ファイナル4」は新旧QB対決。スーパーボウルに進むのは? (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 まるで遊んでいるかのような大胆なプレーぶりは、殿堂入りQBブレット・ファーブ(元グリーンベイ・パッカーズ)と比較される。だが、「何でもできる能力」という点では、現在最高のQBと評されるアーロン・ロジャース(パッカーズ)と似ているかもしれない。今季はプロ2年目ながら、NFL史上3人目の50タッチダウン(TD)をマーク。チーフスの正QBになったのが初年度とは思えぬ飛躍ぶりには驚かされる。

 また、マホームズのサポーティングキャストも豪華だ。小柄ながら爆発的な俊敏性を誇るWR(ワイドレシーバー)タイリーク・ヒルや、類まれなレシーブ能力を兼備するTE(タイトエンド)トラビス・ケルシーなど、レシーバー陣の豊富さはNFLナンバー1と言えるだろう。3年連続のスーパーボウル出場を狙うペイトリオッツは、このチーフスの得点力にどう対抗するかがカギとなるに違いない。

 ちなみに、本コラム執筆時点での現地日曜日の天候は、極寒になる可能性が高い。気温はマイナス10度からマイナス17度になるとも言われているため、寒さによるミスの有り無しが勝敗の行方を左右するかもしれない。

 一方、NFCのカードも新旧QB対決に脚光が当たる。セインツのドリュー・ブリーズは1月15日に40歳になったばかり。対するラムズのジャレッド・ゴフはプロ3年目の24歳。ふたりの年齢差15歳9カ月は、NFLプレーオフ史上3位の大きさである。

 こちらもAFCと同じく攻撃力自慢の両軍だが、やはり勝負のカギとなるのは「ラムズのディフェンス陣がいかにブリーズを止められるか」だろう。なぜならば、今季のブリーズは衰えを微塵も感じさせない高水準を維持しているからだ。

 パスの成功率は、驚愕の74.4%。自身が昨年記録したNFL史上1位の数字をあっさりと更新し、5度目の70%超えも成し遂げた。QBのパフォーマンスの指標となるパサーレーティングも、リーグトップの115.7。今季レシーブで1405ヤードをマークしたWRマイケル・トーマスとのホットラインは、NFLでも屈指の破壊力を誇っている。

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