琉球アスティーダ早川代表が語る「初年度は2位でいいんです」の真意 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO SPORT

 確かに東京に行くよりも台湾や中国に行く方が近く、ビジネスチャンスは日本よりもアジア全体の方がはるかに膨らむ。そもそも琉球が他と同じチーム作りをする必要がまったくない。沖縄でジュニアから選手を育成し、トップは質の高いアジアの選手がTリーグを戦い、いずれ地元で育った選手と融合していく。そういうスタイルがチームの個性になる。早川代表曰く「沖縄は身体能力が高い子が多い」ということなので、育成環境が整えばメダリストを輩出する可能性は十分にある。

 チームの魅力が増せば、世界の優秀な選手が沖縄にやってくる。沖縄の子供たちが世界のプレーに触れ、刺激を受けてスポーツ選手を目指し、スポーツを楽しむ。卓球などスポーツを含む総合エンターテインメント型のクラブとして琉球アスティーダが日本ではなく、世界のビッグクラブになることも不可能ではない。

 早川代表が目指す先は、そこだ。ただ、そのためには莫大な資金が必要になる。

 Tリーグは試合数が少ないので入場者収入は野球やサッカーのようには望めない。また、露出のバリエーションが少ないのでスポンサーが多数つくことは難しい。だが、収入が安定しなければビジョンは頓挫してしまう。

「リーグに頼らない安定した経営基盤が必要になります。そのためにプロスポーツ運営会社としてビジネスの仕組みを変える新しい取り組みもしています」

 早川代表の言葉が目指す先の実現を裏付ける。それはもう少し先に明らかにしていくという。

 早川代表の構想は大きいが、目前の卓球の試合では最大限、ファンが楽しんでもらうことを考えている。

「試合の時は静かに見ていただき、そこで選手にはベストを尽くしてもらいます。でも、試合前、ハーフタイム、試合後はファンの人に楽しんでもらえるチャンスです。そこで、どれだけ面白い企画を提供できるか、ですね」

 仕掛けの例は10月19日、実業団リコーとの試合から見て取れる。K-1グランプリのアナウンサーのボンバー森尾氏が会場を盛り上げ、2015年世界マスターズ陸上の100m×4リレーで金メダルを獲得し、アスティーダと契約した沖縄の英雄・譜久里武(ふくざと・たけし)選手が来場し、張一博が娘の梓恩と特別レッスン会を開催。さらに地元のお笑いコンビのリップサービスが来場するなど盛り沢山のイベント、ゲストで試合を盛り上げた。

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