2018.10.22

琉球アスティーダ早川代表が語る
「初年度は2位でいいんです」の真意

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO SPORT

「琉球から世界へ」を合言葉に、早川代表が仕掛ける策は独特のものだ。たとえば、チーム編成は、丹羽孝希や松平賢二ら日本人選手が在籍しているなか、荘智淵(ジュアン・ジー・ユアン )を始め台湾の選手が3名加入しているのが大きな特徴になっている。

―― 台湾の選手が多いのは、地理的なものが影響しているからですか。

「非常に大きいです。沖縄から台湾まで飛行機で1時間ですので、台湾のレジェンドを獲ることによってインバウンドで地元に貢献できる可能性があります。それに日本は活躍しているのが10代の選手で25歳ぐらいに引退してしまうじゃないですか。それって日本だけで世界の常識ではない。だから、あえて37歳で台湾のレジェンドの荘選手に入ってもらいました。25歳でプロになって30歳を超えて活躍できる選手もいるはず。常識を覆す選手やレジェンドが出てきてほしいと思っています」 

―― メンバー編成も戦略的なわけですね。

「僕は沖縄から五輪選手を出したいんです。まだ、そういう選手がいないんですよ。うちなんちゅう(沖縄の人)が五輪に出場し、メダリストになる。それを実現するためにはプレーし、練習する場所もお金もファンもすべてが必要なんです。Tリーグができたからといって、それらがすぐに可能になるわけでも用意してくれるわけでもない。その夢を実現するには自分たちで考えてやっていかないといけない」

 アジア対策は、琉球の重要な戦略のひとつである。

 たとえば、張一博(ちゃん・かずひろ)をコーチ兼選手として獲得したのもその一例だ。奥さんの莉梓(りさ)は福原愛を育てたコーチであり、娘の梓恩(8歳)はアスティーダへの入団が決まっている。莉梓がチームのジュニア世代を育成し、第2の福原愛を生み出していく。さらに張氏と中国とのパイプを活かして中国選手を獲得することも考えている。

「いずれ台湾リーグとかアジアのリーグにも参戦していきたい。そのためには今後、日本以外のアジアの選手だけでチームを編成してもいいかなと思っています」

 視線は東ではなく、西に向いているのだ。