主将・張本智和もビックリ?逆風下のアルゼンチンでユース五輪開幕 (3ページ目)

  • 三村高之●文・写真 text & photo by Mimura Takayuki

 たしかに画期的な試みではあるが、これにも異を唱える市民は多かった。特設舞台やスタンド、仮設トイレ、さまざまな装置の設置準備のため、10日前から車線規制が行なわれ、大渋滞を招いたのだ。さらに2日前からは全面閉鎖。市内最大の幹線道路がこのようになっては、市民生活に多大な支障が生じるのは当然だ。

 だが、幕を開けてみると、その開会式には、20万人とも25万人ともいわれる市民が詰めかけた。

開会式は、アルゼンチン国歌に合わせてオベリスコの先端から国旗を掲げた男性が歩いて降りてくるという演出からスタート。巨大な五輪が宙に浮き、その中でパフォーマーが技を魅せる。街のシンボルであるオベリスコは最大限に活用され、プロジェクションマッピングで七変化。陸上のトラックレーンになると、パフォーマーがそこを走り、水面になるとカヌーが漕がれるといったように、オベリスコがまさに競技場となった。

 選手入場はスペースが狭いため全員参加型でなく、各国の旗手1名だけがステージに上がって紹介された。アルゼンチンらしくタンゴショーありオフィシャルソングのお披露目ありと娯楽も盛りだくさん。最後はリオ五輪金メダリストのサンティアゴ・ランヘとパウラ・パレットによって聖火台に聖火が移され、それを合図に華麗な花火が夜空を彩った。

 五輪史上初となった街中での開会式だが、まずは成功したといっていいだろう。

 18日まで行なわれるユース五輪には、日本から23競技に91人の選手が参加している。ユース年代のため無名の選手が多いなか、卓球には張本智和と平野美宇のビッグネームが参戦した。

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