NFLドラフト1巡目でQBが5人も。今年の新顔はスター候補ぞろい (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 ジャクソンはQBでありながら走力が非常に高く、2016年と2017年には自らのランで1500ヤード以上を稼いだ。だがその一方、パスの通算成功率は57.0%と低い。大学時代は「走れるQB」と評価されていても、NFLのディフェンス陣はそう甘くない。プロの世界に入ったのならば、大学時代以上に高いパス能力が求められるだろう。

「ジャクソンはQBではなく、ワイドレシーバー(WR)としてNFLに行くべきだ」。ドラフト前はそんな声も聞こえた。だが、プレシーズンではマイケル・ビック(元アトランタ・ファルコンズ)を思い出させるような独特のステップでランヤードを獲得し、関係者を大いに興奮させた。ドラフトでは低い評価だったが、面白い選手になる可能性を十分に秘めている。

 そしてひとりだけ、QBではないが紹介しておきたいルーキーがいる。それは、ニューヨーク・ジャイアンツが全体2番目で指名したランニングバック(RB)のサクオン・バークリーだ。全ポジションを通して「今年のドラフトで一番の選手は誰か?」と問われれば、「ペンシルバニア州立大のバークリー」という答えが多くを占めていた。それほどの逸材なのだ。

 機動力、パス捕球力、身体の強さ、フットボールIQの高さ......。すべてを兼ね備えており、その潜在能力はずば抜けている。ジャイアンツは37歳のQBイーライ・マニングの後継者を見つける必要に迫られているが、「10年にひとりの才能」と称されるバークリーをドラフトで逃す手はなかった。

 パスゲーム全盛と言われる現代のNFLにおいて、ここ1、2年はふたたびランゲーム、つまりはRBの重要性が再認識されている。バークリーがプロ1年目からいきなりトップクラスの活躍を見せても驚くべきではないだろう。ちなみに、開幕前からバークリーのレプリカジャージーはトップクラスの売り上げを記録している。

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