「打倒中国」はもう夢じゃない。日本史上最強メンバーで世界卓球Vへ (2ページ目)

photo by Noto Sunaophoto by Noto Sunao それが、アジアカップでの受け答えは今まで以上に堂々としていたのです。東京五輪についての質問には「金メダルを獲ります」と断言。先日、ナショナルトレーニングセンター(NTC)で世界卓球への意気込みを聞いた時も、「今年はこの大会に合わせて準備してきたので大丈夫です」と口にしていました。

 全日本王者になってからはマークがより厳しくなり、思うような成績が残せない大会もあるなか、アジアカップの時の張本選手は、技術面も精神面も一層磨きがかかっていると感じました。

 NTCでの取材では、対戦が予想される選手たちのプレーの特徴や、それに対して自分がどういった卓球をすれば勝てるかという細かな分析も教えてくれました。

 選手のなかには、試合中に集中の"ゾーン"に入って試合内容をあまり覚えていない方もいますが、多くの選手は0コンマ何秒という世界で繰り広げられた過去のプレーを一つひとつ記憶しています。

 張本選手は、その記憶を即座に、より具体的に伝えてくれました。ジュニア時代に対戦した選手や、映像で見た選手の特徴も含めた分析をあまりに細かく話してくれるので、「そんなに手の内を明かしてしまっていいのかな」と、こちらが心配になったくらいです(笑)。

 自信あふれるプレーや力強い意気込みの裏に隠された、自信の根拠を垣間見たような気がしました。

より強さを増していく張本選手が「今も憧れ。日本の卓球といったらこの人という存在」と話すのが、エース・水谷隼選手です。

 2016年のリオデジャネイロ五輪で、日本人初となるシングルスのメダル(銅メダル)を獲得した水谷選手は、今や誰もが知る日本男子卓球界のエースです。その水谷選手の全日本10度目の優勝を阻んだのが張本選手でした。

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