世界レベルに挑む女子日本代表2人。「ホッケーでやりきった人生」に (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO, Nataka Toru

「ホッケーのレベルで言ったら、スペインリーグは日本リーグと同じぐらいでした。それでも、スペインリーグにはオランダやベルギーのチームでプレーしたことのある選手がいるなど、国際的で、対戦相手にも『この選手はうまいな』と思わせる選手がいました。スペインに行ったからこそ、もっと上のレベルでホッケーをやりたいなと思いました」

 そんな永井の思いに及川も含む周囲が奔走し、いくつかの移籍先候補が見つかった。そのなかから永井が選んだのは、真っ先に声をかけてくれていたオランイェ・ロートだった。

「栞さんがいてもいなくても、たぶん私はオランイェ・ロートに来てました。私の決意は、『オランダで活躍して名前を残してくること』ですから」

 そう言うと、永井は東京オリンピックへの想いを、堰(せき)を切ったように話し始めた。

「リオで結果を残せなかったことが、すごく悔しかったんです。リオでは勝てるチームにも勝てず、結局、負けて終わってしまった。『何のためにこんなにしんどい練習をしてリオまで来たんだろう』と、本当に悔しかった。その思いを東京で全部晴らしたい。

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