伝説のQBブレイディは超絶ストイック。「寝るときは必ず20.5度」 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • TOBI●撮影 photo by TOBI

 1999年のNFLドラフトでは、6巡目・全体199位という下位指名でニューイングランド・ペイトリオッツに入団。しかし、当初は「走れない」「やせっぽち」と酷評され、プロでの成功を多くは期待されていなかった(ちなみに6人のQBがブレイディより上位で指名されたが、ほとんどプロでプレーできていない)。

 それが17年間のプロ生活で、通算パス獲得距離数は歴代4位の6万1582ヤード。パスタッチダウンも同4位の456本。そして、冒頭で触れたタイトルの数々――。選手が投票して決めるNFL専門局の「2017年のトップ100ランキング」では、2011年以来2度目の1位に選ばれた。今年8月で40歳を迎えるブレイディは、いまや完全に「勝者」としてのイメージしかない。だが、本人のなかにはいつまでも「自分はアンダードッグだ」という思いが強く残っているという。

 アンダードッグは「誰も期待していない者」とでも訳すべきだろうか。たしかにプロ入り当初のブレイディは、そういう選手の扱いを受けてきた。そんな過去があるからこそ、40歳を手前にした今でもよりよい選手となるべく、自らを厳しく律しているのではないだろうか。

「僕はどうすればハイレベルでプレーできるのか、あらゆる観点から考えている。それはフィールド上だけではなくて、普段の生活面においてもそうだ」

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