攻撃1位vs守備1位。今年のスーパーボウルは世紀の「ホコタテ対決」に (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

 なぜ、ペイトリオッツはここまで長きにわたって黄金期を続けることができるのか――。それは、選手獲得の手法が独特だから、である。他のチームで活躍できなかった「キャストオフ(不要になったもの)」をチームに迎え入れ、それらを再生して好結果を残してきた。

 今季のキャストオフの最たる例は、WRクリス・ホーガンだろう。カレッジでのフットボール経験はわずか1年で、大学3年間はラクロスの選手だったという。NFL入りはできたものの、サンフランシスコ・49ersやバッファロー・ビルズで定着できず、チームを転々としていた。そのとき、手を差し延べたのがベリチックHCだ。

 ベリチックHCはホーガンの高い運動能力を評価し、今季レギュラーシーズン14試合で先発に起用。その結果、レシーブで680ヤードを獲得して大ブレイクを果たした。ピッツバーグ・スティーラーズとのAFCチャンピオンシップでは、レシーブ180ヤード・2タッチダウンを記録。腰のヘルニアで不在の主力TE(タイトエンド)ロブ・グロンコウスキーの穴を埋める大活躍だった。

 リーグ史上最高の指揮官(ベリチック)と司令塔(ブレイディ)を有するペイトリオッツだが、選手を多角的に評価する分析能力と、埋もれていた才能を戦術で有効活用する力量こそが、このチームの強みでもある。ペイトリオッツがキャストオフをどう駆使し、ファルコンズにぶつけてくるかが見ものだ。

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