日本初のプロ選手・松下浩二が「福原愛の笑顔」に思うこと (6ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by JMPA

 水谷選手とともにシングルスに出場した丹羽孝希選手は、今年のワールドツアーで1回戦負けが続くなど、五輪前は調子を崩していました。ただ、初戦のセグン・トリオラ選手(ナイジェリア)との試合を見て、復調していることがはっきりとわかりました。準々決勝で張継科(チョウ・ケイカ)選手(中国)に敗れてベスト8に終わったものの、力は出し切ったと思います。

 そして、男子団体。8月3日に団体の組み合わせを決める抽選があったのですが、倉嶋洋介監督が中国と別の山を引き当てた瞬間、私も思わずガッツポーズをしました。

 シングルスでの水谷選手や丹羽選手の好調ぶりに加え、吉村真晴選手は好不調の波が小さく、安定して実力を発揮するタイプの選手。中国以外が相手なら、水谷選手はシングルスで2勝は堅く、丹羽選手と吉村選手のダブルスもかなりの高確率で計算できます。五輪前に「男子団体のメダル獲得の可能性はかなり高い」と予想しましたが、この組み合わせで銀メダル獲得の可能性は限りなく近づいたと感じました。

 実際、初戦のポーランド戦こそ第3試合、第4試合を落として3-2というスコアになりましたが、準々決勝では香港を3-1で撃破。準決勝のドイツ戦も、水谷選手がシングルスで2勝、そしてダブルスで1勝を挙げるなど、理想的な試合展開でした。

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