日本初のプロ選手・松下浩二が
「福原愛の笑顔」に思うこと

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by JMPA

 一方の男子は、水谷隼選手が1戦ごとに選手として大きくなっていったという印象を受けました。大会初戦となった3回戦では変速カットマンのパナギオティス・ギオニス選手(ギリシャ)を4-1で破り、4回戦は地元の大声援を受けるウーゴ・カルデラノ選手(ブラジル)を4-2、準々決勝ではマルコス・フレイタス選手(ポルトガル)も4-2で撃破。スコアだけでなく、内容も上々でした

 世界ランキング1位の馬龍(マ・リュウ)選手(中国)との準決勝は、まさに死闘。3ゲームを連取されてから2ゲームを奪い返しましたが、最後は2-4で敗れました。

 この試合は、両者の実力差というより、水谷選手が馬龍選手のボールに慣れるまでに2ゲームを要したのが痛かった。これは、中国人選手との対戦経験の少なさによるものでしょう。「たら・れば」ですが、せめて第2ゲームから第3ゲームや第4ゲームのようなプレーができていれば、結果は違っていた可能性もあるのではないかと思います。

 その後、水谷選手は3位決定戦で鉄壁の守備を誇る今大会好調のブラディミル・サムソノフ選手(ベラルーシ)を退け、日本人男子として初の五輪メダルを獲得。現地で見ていた私も、思わず熱くなってしまいました。

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