日本初のプロ選手・松下浩二が「福原愛の笑顔」に思うこと (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by JMPA

 石川選手は第1ゲーム、第2ゲームを連取しますが、大会初戦ということもあって硬さがあり、思い切ったプレーは影を潜めていました。逆に、格上の石川相手に失うものがないキム選手の積極果敢なプレーとは、まさに対照的だったと思います。メダルを視野に入れている石川選手は、「ここで負けるわけにはいかない」という気持ちが強かったのでしょう。目先の1点に固執してしまい、何点か失点してもトータルで試合に勝つ――というゲームプランを立てられなかったように思えます。

 第3ゲーム、第4ゲームを連取された石川選手は、第5ゲームを奪って再度リードしますが、ぎりぎりで奪ったゲーム内容で、試合の流れを引き戻すまでには至りません。そして第6ゲーム、第7ゲームを押し切られての敗北。石川選手にとっては、悔いの残る試合だったと思います。

 一方の福原愛選手は、3回戦でドデアン・モンテイロ選手(ルーマニア)、4回戦でリ・ミョンスン選手(北朝鮮)、準々決勝でフェン・ティアンウェイ選手(シンガポール)をすべて4-0で下すストレート勝利。ここ最近でないほどの好調さでした。しかし、準決勝でロンドン五輪・金メダリストの李暁霞(リ・ギョウカ)選手(中国)にストレート負けした試合を境に、福原選手は調子を崩してしまいました。

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