卓球・丹羽孝希「中国選手のドライブはテニスボール並みの重さ」 (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  露木聡子●写真 photo by Tsuyuki Satoko


――では、中国との距離を、この4年間で縮めることは可能だと思いますか?

「中国選手はみんな強いんですが、中でも馬龍選手が抜けているんです。東京では馬龍選手が代表から抜けると言われているので、そうなったら実力差は、少しは縮まるのかなと思うんですけどね。ただ、本当に中国は強いです」

――中国の強さの秘密はどこにあるんですか?

「中国人選手に『センスがあるな』と感じたこともないんです。中国人選手は、才能があるとかじゃない。とにかく練習量で強くなっていく。逆に日本人選手の方が、才能やセンスに頼っていると思います」

――裏を返せば、日本は努力で負けている?

「全然負けてますよ。僕みたいに大学に入ってる選手はいないですし。練習も、僕らは練習する時にペアを組み、片方が8分練習したら、次の8分はブロックに回る。練習をして練習相手をして、練習をして練習相手をしての繰り返し。中国人選手は、練習パートナーをつけて、ずーっと自分の練習ができる」

――日本でも同じようにはできませんか?

「ブロックのレベルも高くないと、どっちの練習にもならないんですよね。だから、日本ではなかなか難しい。中国はレベルが高い選手が大勢いますし、ブロックだけが上手い、完全に練習相手のためだけの選手もいるんです。僕らの場合は、そうはいかない。ナショナルトレーニングセンターで合宿などをやるぶんには、毎日強い人と練習できるからいいんですけど、1年中というわけにはいかないので」

――では、丹羽選手が大学進学した理由はなんだったんですか?

「日本の今の状況として、高校を出て卓球に専念するなら、実業団チームに入り、日本リーグでプレーするという選択肢もあったと思います。ただ日本リーグは正直、世界レベルではない。だったら大学に通いながらブンデスリーグ、フランスリーグなどに行った方がいいなと思いましたね」

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