【卓球】日本人初プロ・松下浩二が見た「女子3選手のメダル期待度」 (5ページ目)

  • 水野光博●構成 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 15歳での五輪初出場となりますが、彼女の世代は小さいころから国際大会に出場し、場数も多く踏んでいます。そもそも、競技のスタートが3歳なので、15歳といっても競技歴は10年をゆうに超えています。さらに彼女は「鉄の心臓」とも呼ばれるように、強いメンタルを持っているので、五輪初出場といえども、自身のプレーをやり切ってくれるのではないでしょうか。

 卓球は室温や湿度に影響を受けるスポーツで、乾燥するとボールが弾み、湿気ているとボールが滑るような感覚があるなど、フィーリングに若干の違いが生じます。ただ、日本代表は1週間前には現地に入るというので、ラバーの厚みを変えるなどして、すぐに対応できると思います。

 ベテラン2選手は、経験値がありますからまったく問題ないでしょうし、伊藤選手は環境の変化に動じないタイプ。世界のどこに行っても、ラケットケースから、さっとラケットを出して、そのままパンパンと何気なく打つでしょう。

 女子にはロンドン五輪に引き続き、団体でのメダルを期待しています。そして、日本人として初となるシングルスでのメダル獲得も可能性が高いので、目が離せません。

(男子編につづく)

【profile】
松下浩二(まつした・こうじ)
1967年8月28日生まれ、愛知県出身。1993年、日本人初のプロ卓球選手となり、全日本選手権シングルス4度優勝。スウェーデン、ドイツ、フランスの欧州3大リーグでプレーし、2009年に現役を引退。オリンピック4度出場(1992年~2004年)。シェークハンドのカット主戦型。現在は卓球用品総合メーカー「ヤマト」の代表取締役社長を務めるかたわら、卓球の発展のためにさまざまな活動をしている。

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