【卓球】日本人初プロ・松下浩二が見た
「女子3選手のメダル期待度」

  • 水野光博●構成 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 それは、台から離れてプレーするようになったため、以前の速さが影を潜めたからです。かつては"速さ"対"速さ"の争いになると、速度で勝る中国に勝つことは不可能に近かった。しかし、今の中国の"力強さ"を押し出すスタイルなら、"速さ"で対抗すれば付け入る隙は十分にあります。

 現に福原選手も速さを武器に、中国人選手を下した経験があります。彼女は最近、大きな大会での優勝からは遠ざかっているものの、ここ一番勝って欲しい試合・大会で力を発揮するタイプ。ここぞという場面で何かをやってくれるのが、まさに福原という選手です。

 そんな彼女ですから、リオ五輪でもサプライズな勝ち星を挙げてくれるのではないでしょうか。組み合わせ次第な面はありますが、シングルスの決勝が福原選手と石川選手の「日本人対決」という可能性もなくはないですし、ぜひそうなってほしいと願っています。

 そして、今年4月のリオ五輪のアジア大陸予選で"速さ"を武器に、ロンドン五輪シングルス銀メダリストであり世界ランキング2位の丁寧(中国)を倒したのが、リオ五輪では団体戦で出場する15歳の伊藤美誠選手です。

 彼女は身長150cmしかありませんが、速さ、戦術、駆け引きで大人たちを負かしてしまいます。最大のウリは速さです。福原選手とほぼ互角ですが、打球の速度は伊藤選手のほうが上。思い切りのよさがあり、誰が相手でも勝つ可能性を秘めた"パンチ力"も持っています。

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