【ハンドボール】土井杏利「猛練習で失神。救急車で運ばれました」 (5ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 洞澤佐智子●写真 photo by Horasawa Sachiko

「日本の多くの選手が海外でプレ-することも必要ですけど、それ以上に指導者の質が大事です。僕のいるシャンベリ-で優秀な監督がパリSGに引き抜かれた後、アシスタントコ-チが昇格した。でも、それから勝てなくなって、ム-ドも悪くなった。それでチ-ムの選手全員で『監督をクビにしてくれ』って言いにいきました。自分たちはプロだし、勝ちたいからです。その後、クロアチア人の監督が来てからチ-ムが一気に上昇した。監督によって、こんなにチ-ムが変わるんだって、その時初めて感じることができたんです。
 日本も同じだと思います。世界的な指導者を呼び、練習の質を上げていく。サッカ-だって海外から監督呼んでいるんですから、できないことはないと思っています」

 土井はフランス人と日本人のハーフ。今後、リーグでの活躍次第では、フランス代表選出という可能性があるかもしれない。いずれどちらかの代表に専念することになるだろうが、願わくば、日本代表のエ-スとして東京五輪の舞台に立ってほしい。

「日本のためにと思うけど、いろいろ考えてしまいますね」。土井は、悩める心情をそう語った。そして、最後、ひとつ聞いてみた。

――また、夏合宿をやれと言われたら。
「いや、もう絶対にやんないっす」。間髪入れずの即答だった。

●土井杏利(どい・あんり)
 1989年9月28日生まれ。フランス名、Remi Feutrier。埼玉・浦和学院高校、日体大を経て、フランス1部リーグの強豪シャンペリーへ。昨シーズン、レギュラーに定着。今シーズンはリーグ優勝、欧州チャンピオンズリーグ出場権獲得を目指す。身長179cm、体重76kg

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