【NFL】シーホークス、10年ぶりのスーパーボウル連覇なるか (2ページ目)

  • 永塚和志●構成 text by Kaz Nagatsuka  photo by Getty Images

※チーム名の丸数字はシード順位※チーム名の丸数字はシード順位 また、QBトム・ブレイディも先発出場すれば、スーパーボウル史上最多6度目の快挙だ。シーホークスに勝てば、テリー・ブラッドショー(1970年~1983年/元スティーラーズ)、そしてジョー・モンタナ(1979年~1994年/元サンフランシスコ・49ersなど)と並んで、史上最多タイの4つ目のチャンピオンリングを手にすることになる。

 ペイトリオッツは2000年代以降で最も成功を収めてきたチームと言えるだろう。常勝軍団としてNFLを牽引してきた。対するは、勢いに乗るディフェンディング王者のシーホークス。ペイトリオッツは若さあふれる彼らの勢いを食い止めることができるのか――。アメリカメディアは今回のスーパーボウルを「ダイナスティ(王朝)を巡る戦い」と報じている。勝敗予想に関しても意見が真っ二つに割れており、ラスベガスのオッズも拮抗している。

 勝敗を分けるポイントは、「ペイトリオッツの攻撃vsシーホークスの守備」となるだろう。1試合の平均失点、平均喪失ヤードともにリーグ1位をマークしているシーホークスの最強ディフェンスを、1試合平均得点リーグ4位のペイトリオッツがどう攻略するのかが勝負のカギとなる。

 とりわけ注目したいのは、ペイトリオッツのQBブレイディと、タイトエンド(TE)のロブ・グロンカウスキーのホットラインだ。今季チーム1位のレシーブ1124ヤードを記録しているグロンカウスキーは、198センチ・120キロという恵まれた体格ながら、スピードも併せ持つリーグ屈指のTE。1対1の勝負になれば、誰にも止めることは不可能と言われている。

 ペイトリオッツのベリチックHCは、「スピードや体格など、相手ディフェンスとのミスマッチをついてボールを進める手腕が天才的」と評される人物。おそらく、TEグロンカウスキーの体格を生かし、ミスマッチを作ってヤードを獲得してくるだろう。冷静に相手ディフェンスの動きを読み、正確無比なパスを投げるQBブレイディとのコンビは、シーホークスにとって最大の脅威となるはずだ。

 ただし、今回のスーパーボウルでペイトリオッツは、多くの世論を敵に回す形で戦わなくてならない。というのも、スーパーボウル進出を決めたAFCチャンピオンシップでのコルツ戦で、ゲーム前半にペイトリオッツの使用した12個のボールのうち、11個がリーグ規定の空気圧を下回っていたと判明したからだ。空気圧が低いとボールを握りやすくなり、パスの得意なチームに有利となる。そのためにペイトリオッツは不正を行なったのではないか......という疑惑が湧き出てきたのだ。

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