【卓球】女子団体で福原愛「もう銀では満足できない」 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • YUTAKA/アフロスポーツ●写真 photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 2番手の石川佳純は、世界1位の劉詩●(※●は雨へんに文)に1ゲームを先取して好スタートを切ったが、じわじわと調子を上げてきた相手の底力に屈して逆転負け。1-1で迎えた大事な第3試合は、14歳のホープ平野美宇に託された。平野美宇は小学1年のときに全日本選手権バンビの部で優勝し、福原以来12年ぶりの快挙を挙げた逸材。6年後の東京五輪での期待の星だが、世界6位の朱雨玲に歯が立たず、完敗に終わった。後がない日本の4番手に再び登場した石川だが、福原が破った丁寧の巧みなフォアに翻弄されてミスを連発。1ゲームも取れずに敗れた。

 石川は「攻めきれなかったのが反省点。いままでは決勝で戦うこともできなかった中国とロンドン五輪後は勝負ができるようになったと思うので、もっともっと頑張ればチャンスはあると思います。ロンドン五輪のときは銀メダルで涙が出るほどすごく嬉しかったが、今回の銀メダルは嬉しいですがやっぱり悔しいほうが大きい」と、今大会を振り返った。

 悲願達成はならなかったが村上監督は「ロンドンの時は(中国と日本の力の差は)8―2だった。今は7―3くらい。リオの時には6―4まで縮めて臨めれば勝機はある」と手応えを口にした。

 ロンドン五輪で銀メダル以上を確定させてうれし涙を流してから2年。福原も石川もいまでは同じ「銀メダル」を手にしても、喜びよりも悔しさの方が勝った。もう銀メダルでは満足できなくなったのだ。

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