2014.09.02

【NFL】シーズン開幕。QBで占う今季の勝ち組・負け組

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka photo by AFLO

design by Unno Satoru むしろ今シーズン、面白い存在といえるのは、エリートQBの座を狙う「エリート候補」の所属するチームだ。つまり、エリートQB候補の出来いかんで、チームの成績は大きく上下する。

 エリートQB候補の筆頭は、インディアナポリス・コルツ(AFC南地区)のアンドリュー・ラック(24歳)だろう。個人成績ではまだエリートと呼べないかもしれないが、脆弱なオフェンスラインと並の守備しか持たないコルツをプロ入り(2012年)から2年連続でプレイオフに導いた力量からは、数字に表れない勝負強さが垣間見える。「26人の現役NFLコーチと数多くのリーグ関係者に、『NFL全32チームの先発QBに順位をつけてくれ』と頼んだところ、ブレイディ、マニング、ロジャース、ブリーズに並んで、ラックだけが『トップクラス群』にランクインした」と、スポーツ専門テレビ局ESPNのマイク・サンド記者は語る。また、他のメディアでも、ラックは将来エリートQBになるだろうという見解で一致している。

 そのラックに続くのは、昨季NFL2年目で早くもスーパーボウルを制したシアトル・シーホークス(NFC西地区)のラッセル・ウィルソン(25歳)、一昨年に名門サンフランシスコ・49ers(NFC西地区)をスーパーボウルまで導いたコリン・キャパニック(26歳)、195センチ・115キロの巨体ながらラン能力も高いカロライナ・パンサーズ(NFC南地区)のキャム・ニュートン(25歳)、ルーキーイヤーの2012年にセンショーションを巻き起こしたワシントン・レッドスキンズ(NFC東地区)のロバート・グリフィン3世(24歳)あたりだろう。いずれのチームも、プレイオフ進出の有力候補である。

 ただ、彼らよりも増して注目したいQBは、フィラデルフィア・イーグルス(NFC東地区)のニック・フォールズ(25歳)だ。昨シーズン途中、マイケル・ビック(34歳/現ニューヨーク・ジェッツ)に代わって先発に抜擢されると、フォールズは瞬(またた)く間に頭角を現し、リーグ最高のパサーレイティング(119.2)をマークしたのである。フォールズの武器は、198センチの長身から放たれる正確なパスと、冷静な判断力でターンオーバーが少ないこと。近年は機動力の高さをウリに、相手ディフェンスをかいくぐってパスを放つQBが増えてきたものの、フォールズは典型的なポケットパサー(※)だ。

※ポケットパサー=オフェンスラインの作るポケットの中でプレイするパス中心の本格派QB。