2014.05.06

【卓球】「31年ぶりの銀」は「リオ五輪の金」につながるか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 村上監督は「中国は今の監督になって初めての団体の世界選手権なので、油断の無いオーダーを組んできた。最強の3人を並べられると、石川以外には勝つチャンスがなかった」と言うように、11年世界選手権優勝の丁寧(テイ・ネイ)、12年ロンドン五輪優勝の李暁霞(リ・ギョウカ)、世界ランキング1位の劉詩※(リュウ・シブン/※は雨かんむりに文)は次元が違った。

 結局1番手の石垣が1セット取っただけで、石川と平野は0対3で敗れる完敗だった。それでもそれぞれに収穫はあった。

 平野は「いろいろなサーブを出してきたのでそれを読む事ができず、相手のペースにされた」と完敗を認めながらも「ロンドン五輪後は良かったり悪かったりで成長を実感できていなかったが、今回は中国戦以外では課題にしているバックハンドやチキータを五分まで持っていけた。地元開催の団体戦で持っている力は出し切れたと思う」とスッキリした表情で話した。

 石川も「これが世界女王の強さなんだと肌で感じたし、中国に近づくにはもっとレシーブを改善しなければいけないと分かった。でももっと強くなれるとも感じた」と話す。 

 村上監督も、「(以前の)石川は李の前陣速攻にまったく歯が立たず空振りを重ねたこともあるが、男子との練習でスピードに慣れてボールを返せるようになった。それが8点、7点、7点という得点につながった。課題はレシーブの悪さ、男子の水谷隼のようなレシーブができれば中国選手にも勝てる可能性が出てくる」と話す。

 とはいえ、日替わりで厳しい戦いを勝ち抜くヒロインも出て、福原抜きで31年ぶりの銀メダル獲得は殊勲といえる結果。村上監督も「個々の実力を中国勢と比べると、石川が3対7くらいでそれ以外の選手は1対9。それでもロンドン五輪の銀よりは中国に近づけたと思う」と成長を認めた。

 五輪では日本が得意とするダブルスがある。リオデジャネイロ五輪に向けて村上監督はこう話す。

「福原が戻って来れば、中国との差は1対9から2対8くらいになる。団体戦の場合は競り合うと弱い方が強気になって、強い方が守りに入るから3対7か4対6くらいまで持っていけば勝機も出てくる。2010年の世界選手権でシンガポールが中国に勝ったのもそういう状況。だからリオデジャネイロまでには何とか、3対7まで持っていきたい」

 福原は今大会疲労骨折で欠場したが、今もなお成長しているという。加えて石川がレシーブを克服すれば、中国との差を縮めるのも可能だ。さらに村上監督は、「最終的に2020年の東京五輪までには五分五分くらいの力をつけて、金メダルを狙えるようにしたい」という構想も持っている。

 今回の銀メダルが、そのための第一歩になったのは間違いないだろう。

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