【NFL】「攻撃1位vs守備1位」対決。スーパーボウルを制するのは? (2ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

※試合日時は日本時間表示、チーム名の丸数字はシードの順位※試合日時は日本時間表示、チーム名の丸数字はシードの順位 また、マニングを支える脇役の存在も欠かせない。WRのデマリアス・トーマスやウェス・ウェルカー、TEのジュリアス・トーマスなど、多彩なレシーバー陣が揃っているのもブロンコスの強みだ。彼らが縦横無尽にフィールドを駆け巡り、フリーになったターゲットにマニングが正確無比のパスをヒットさせる――。相手ディフェンス陣にとって、これほど的が絞りにくい相手もいない。

※ポジションの略称(QB=クォーターバック、WR=ワイドレシーバー、TE=タイトエンド)

 現地アメリカでは今回の頂上決戦を、「マニングのスーパーボウル」と称している。マニングはこれまでシーズンMVPを4度獲得し、今年5度目の戴冠も間違いない。しかし、ポストシーズンでの勝負弱さから、「史上最高のQB」と表現しづらいところがあった。先発QBとして挑んだポストシーズンでの通算成績は、11勝11敗。スーパーボウルの成績も1勝1敗と、ともに勝率5割である。ただ、今回2個目のチャンピオンリングを手にできれば、誰もが「史上最強のQB」という称号に納得するだろう。異なる2チームでスーパーボウルを制覇したQBはかつていないだけに、マニングへの注目度は俄然高まっている(マニングは2007年のコルツ時代にスーパーボウルを制覇)。

 対するシーホークスの注目すべき選手は、CBのリチャード・シャーマンや、Sのカム・チャンセラーといった、サイズとスピードを併せ持つ守備バック陣だ。彼らは「Legion of Boom(爆音軍団)」という異名を持ち、相手オフェンスを徹底的に叩きのめす破壊力を秘めている。カンファレンス・チャンピオンシップのサンフランシスコ・49ers戦では、QBコリン・キャパニックのパスをことごとくカットし、後半に逆転するキッカケを作った。

※ポジションの略称(CB=コーナーバック、S=セーフティ)

 ただ、いくら強力な守備バック陣を擁しても、マニングに余裕を持ってパスを投げられてしまえば、それを防ぐことは非常に困難だ。よって勝負の分かれ目となるのは、パスラッシュでいかにマニングに対してプレッシャーを掛けられるか、だろう。ちなみに今回のプレイオフ2試合で、マニングがパスラッシュを受けて倒されたのは1度しかない。

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