【卓球】リオ五輪に向けて。福原愛、石川佳純に続く新戦力の台頭はあったのか? (2ページ目)

  • 小川勝●文 text by Ogawa Masaru
  • 戸村功臣/アフロスポーツ●photo by Tomura Atsushi/AFLO SPORT

 石垣は、昨年この大会8強で、世界選手権団体戦のメンバー5人にも選出されていた。19歳の時には国際卓球連盟のプロツアー「ジャパン・オープン」で福原に勝ち、3位になったこともある。女子選手としてはすでに中堅の年齢ではあるが、社会人1年目の今大会で、壁を破っての4強入りが期待された。

 森薗は昨年12月、2013年の世界選手権・個人戦の代表選考会(ロンドン五輪代表の3人は参加せず)で1位になり、世界ランキングも現在73位で、日本選手の中では6番手につけている。石川とは同学年で、ジュニア時代は、ふたりでトップを争っていた。今大会は、やはり4強入りが期待された。

 そしてJOCエリートアカデミーの1期生、谷岡あゆかは大人の年代になっただけに、8強に入って、一昨年に続いて世界選手権・個人戦の代表に入ることが期待された。

 しかし結果は、石垣、森園はいずれもシードから出場して、高校生に初戦敗退。谷岡も2回戦で、2歳年下の高校1年生に敗れた。森薗は、すでに世界選手権の代表が決まっていたため、気が抜けた面もあったかも知れないが、それでも初戦敗退は誰も予想していなかったに違いない。

 5月にパリで行なわれる世界選手権・個人戦に向けて、誰を代表に選ぶべきか。日本卓球協会の強化本部としても、頭の痛いところだ。

 その中で、予想外の進撃を見せたのは松澤茉里奈(21歳/淑徳大)だった。大学3年生で、過去最高成績はベスト16だった。今年は初めて8強に駒を進め、準々決勝も突破すると、準決勝で石川と対戦した。そしていきなり最初の2ゲームを連取すると、第3ゲームは3―11であっさり落としたものの、第4ゲームをまた奪って、ゲームカウント3―1で、勝利まであと1ゲームとしたのである。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る