【卓球】団体戦メダルの可能性を感じさせた石川佳純の快進撃 (3ページ目)

  • 折山淑美●文・取材 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

「相手が強い選手とはいえ、負けたのはすごく悔しい」と唇を噛んだ石川は、「大舞台でメダルのかかった試合は特別だった」と振り返った。

「いつもなら『負けてもいいから思い切っていこう』と思って準備するけど、今日は絶対に勝ちたいと思ってコートに立ちました。でも1ゲーム目を取られてから流れをつかめなくて。簡単なところでミスをしたり、相手にナイスボールを返してしまったり。フェンさんはすごく落ち着いていて全然焦らなかったから、そういうところも自分はまだまだなんだと思いました」

「それがメダルのかかった試合の重さなのかもしれない」と石川は吐露した。

 一方、もうひとりのエースである福原愛は、準々決勝で世界ランキング1位の丁寧に敗れていた。

 ポイントは第1ゲームだった。先手を取った福原は世界女王を相手に、10対6とゲームポイントを握った。だが「勝ち急いでしまった」という福原はそこから追いつかれ、競り合いの末に13対15でゲームを落した。

 村上監督は、「10対6から負けると、力が五分五分の選手でもかなり痛い。ましてや相手は第1シードだったから、あそこですべてが決まった」と振り返る。

 だが福原は「ここで負けて、改めて団体ではメダルを獲りたいと思いました。今回のメンバーでメダルを獲れなかったら、もうずっと獲れないとまで言われているので頑張りたい」と決意を新たにしていた。

 団体戦で順調に行けば、8月5日の準決勝でシンガポールと当たることになる。シングルスではシンガポール勢と連続して当たり、ワンには勝利しながらもフェンには完敗した石川も表情を引き締める。

「まずはしっかりと勝っていかなければいけないけど、(準決勝で)フェンさんと対決するチャンスがあると思うので、そこでしっかりリベンジしたいと思います」

 二人の決意通りにシンガポールを撃破できれば、銀メダル以上が確定する。

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