【NFL】偉大な兄と比較され続けたイーライ・マニングの思い (3ページ目)

  • 永塚和志●文 text Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

「ペイトンがスーパーボウルに優勝してからの数ヵ月、笑顔を絶やさないのを見て、とてもうらやましく感じた。もちろん、誰だって優勝を目指しているけれど、あれだけ満面の笑みを間近で見ていると、『スーパーボウルで勝ちたい!』という気持ちが一段と強くなったんだ」

 一方、兄のペイトンは、弟をこう見ていた。「実はイーライのほうが自分よりも優れた選手なんだ」。そして、「いずれ僕よりもイーライのほうが多くのスーパーボウルリングを手にするだろう」とも。誰もが「弟への気遣いだろう」と、ペイトンの言葉を信じようとはしなかった。だが、兄の言葉は現実のものとなった。

 しかし兄も、このまま黙っているわけがない。コルツを過去11回プレイオフに導いたペイトンは、来シーズン、弟に負けじと2個目のスーパーボウルリングを狙ってくるはずだ。切磋琢磨し合うマニング兄弟の戦いは、これからもまだ続く。ただ今は、スーパーボウルを制して満面の笑みを浮かべる弟の晴れ姿を、兄はきっと羨望の眼差しで見ていることだろう。

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