【NFL】スーパーボウル進出チームが乗り越えた、それぞれの『壁』

  • 永塚和志●文 text Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

スーパーボウル進出を果たして喜ぶジャイアンツのスティーブン・ウェザーフォードスーパーボウル進出を果たして喜ぶジャイアンツのスティーブン・ウェザーフォード 現地時間2月5日にインディアナポリスで行なわれる『第46回スーパーボウル』の対戦カードが決まった。その舞台にたどり着いたのは、ニューイングランド・ペイトリオッツとニューヨーク・ジャイアンツ。2007-2008シーズンの第42回大会と同じ顔合わせとなった。

 勝ち残った2チームのうち、スーパーボウルまでたどり着けると誰もが想定していなかったのは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のジャイアンツだ。NFC東地区を制したものの、レギュラーシーズンの成績は9勝7敗。最後の2試合のうち1試合でも落とせばプレイオフに進出できないギリギリの状況で、ポストシーズンに滑り込んだからだ。

 だが、ポストシーズンに乗り込んだジャイアンツは、思わぬ快進撃を見せた。まずはワイルドカード・ラウンドでアトランタ・ファルコンズを24-2の大差で下し、ディビジョナル・プレイオフではレギュラーシーズン15勝1敗で優勝候補のグリーンベイ・パッカーズを37-20で撃破したのである。

 上昇気流に乗り、スーパーボウルまであと1勝となったジャイアンツ。しかし、そこで大きな『壁』が立ちはだかった。それは、選手に蓄積した『肉体疲労』である。レギュラーシーズン終盤から「負けたら終わり」という状況で4週連続戦ってきた彼らの消耗は、極限まで達していた。しかも相手は、NFC西地区を13勝3敗で制した強豪サンフランシスコ・49ers。予想どおり試合は、パッカーズ戦で完璧な仕事ぶりを見せたオフェンスラインが完全に押し込まれ、QBイーライ・マニングも多くの危機に直面した。

 それでもジャイアンツには、持ち前の『勝負強さ』があった。4年前、NFCチャンピオンシップのパッカーズ戦。ジャイアンツは延長戦で決勝フィールドゴールを決め、スーパーボウル進出を果たした。その脅威の粘りを、再び演じたのである。延長戦で49ersからターンオーバーを奪い、フィールドゴールに結びつけ、20-17で勝利。ジャイアンツは肉体疲労を凌駕する強靭な精神力で、その『壁』を乗り越えたのである。

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