【卓球】福原・石川ペアは五輪メダル獲得への「最後のピース」になる (3ページ目)

  • 小川勝●文 text by Ogawa Masaru
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 結果は、第1ゲームを11―9で福原・石川組が取ったものの、第2ゲーム以降は9―11、13―11、9―11、10―12で、藤井・若宮組の逆転勝ちだった。最終ゲーム、デュースで決着するという試合内容に、村上監督は「レシーブに工夫が見られなかったのが残念。フォアのレシーブばかりだったでしょ。でもそれ以外は、王者対決らしい試合だった」と、敗れた福原・石川組にも一定の評価を与えた。

 現在、日本女子の国別世界ランキングは3位。順当なら、どの世界大会でもメダルを獲得できるポジションにいる。一方で、日本の卓球界は、まだオリンピック(1988年ソウル五輪から正式競技)で、メダルを獲得したことがない。ロンドン五輪の女子団体戦が、日本卓球界初のメダル獲得に向けた、最大の期待種目なのである。

 オリンピックの団体戦は、各国とも出場3人で、まずシングルスを2試合行ない、そしてダブルスを1試合。さらにシングルスを2試合という5試合制で行なわれる。

「日本にとってダブルスは重要。中国はもちろん(メダル争いのライバルになる)シンガポール、香港、韓国を相手に、シングルスだけで3勝するのは難しい」(村上監督)

 そのために、福原・石川組のコンビネーションの向上は、メダル獲得に向けた「最後のピース」と言っていいだろう。

 3人目の五輪代表は、今回の全日本選手権で3位、世界ランキングでも現在日本人3番目(12位)の平野早矢香(ひらの・さやか)が、4月のアジア大陸予選で順当に出場権を獲得すれば、そこで正式に決まる。

 全日本選手権のダブルスが準々決勝敗退で終わったあと、福原は「全日本のシングルスがあったので、ダブルスの練習はできませんでした。これからは(五輪まで)ずっと一緒にいようかって(石川と)話しました。今後は、オリンピックのことだけ考えてやっていきたい」と語った。ともに全日本選手権の優勝経験者となった福原と石川。文字通りの、日本の二枚看板として、ロンドン五輪に向かっていく。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る