馬場雄大がNBAに入るためには「3Pがうまくならないと」。厳しい意見をあえて言うホーバスHCの親心 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Jiji Photo

八村や渡邊と比べて馬場は...

 馬場がそうすることで日本代表が強化されるのはもちろんだが、3Pシューターにならなければ、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)や渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)のような2メートル超の体躯を持たない馬場のNBA入りの可能性も上がらないということだ。

「あの身長と体ですから、外からというのがうまくならない限りNBAには入れない。NBAに挑戦したいのであれば、3Pがうまくならないと。彼もそこはわかっているし、どれだけシューターのマインドセットにできるかどうか。今、チャレンジさせているんです」(ホーバスHC)

 もっとも、馬場もNBA入りへ向けて3Pの重要性は従前から理解しており、パス捕球からの速さなどスキル面で向上に努めてきた。シュートタッチひとつとっても、アルバルク東京在籍時までと比べてかなり柔らかくなっている。

 その成果もあって、イランとの強化試合とWindow4の計4試合で47.4%(19分の9)という高確率で3Pを決めた。ホーバスHCは、オフェンスでは3Pを中心に効率よく得点する"アナレティック(分析)バスケットボール"を重視しているが、今回の4試合での馬場個人の得点効率はよかった。

 たとえば、3Pが2Pよりも1点多いことを加味して考えるeFG(eフィールドゴール)成功率。得点効率のよし悪しを表す指標としてしばしば用いられるが、4試合における馬場のそれは平均で70.6%と、かなり高いものだった(世界の強豪と対戦した東京オリンピックでは45.6%だった)。

「ホーバスHCのバスケは、いいシュートセレクションで打てば、入る、入らないは関係ないというスタンスなので、1本1本、気負いなく打てるようになったというか。空いたら打つというリズムを繰り返していれば自然といいシュートが打てるので、確率も少しずつ上がってきているかなと思います」

 3Pを多く決めれば、多少確率が悪くとも2Pを入れるよりも効率よく得点できるのだから、空いたら打っていけ----。

 ホーバスHCのアナレティックバスケットボールをかなり平たく言うならば、そういうことだ。

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