富永啓生は日本男子バスケの救世主となるか。富樫勇樹「彼の得点力は日本の武器になる」 (3ページ目)

  • 小永吉陽子●文 text by Konagayoshi Yoko
  • photo by APP/AFLO

 そして迎えたのが今オフの代表戦であり、迷いのない姿勢こそが突破口を開くのだと、改めて高校時代に培われた原点を思い出したに違いない。その思い切りのよさを評価しているホーバスHCは、NCAAという高いステージでプレーしていることが、富永を成長させていると話す。

「彼の攻撃力は予想どおりでした。そして予想以上によかったのがディフェンスです。この合宿に入った時、彼のディフェンス習得は少し遅いかなと思いました。けれど、彼は自分のポジショニングがわかっていて、運動量あるディフェンスをしました。毎日、強豪のビッグ10カンファレンスの選手たちと練習しているのですから、ディフェンスは今後もよくなっていくでしょう」

 そして、富永が置かれている環境と日本を比較してこうも言った。



「アメリカの大学でプレーする日本人選手が増えてきて、その経験とシステムは日本にいい影響を与えています。ただ、日本のバスケットボール界にとっては考えなくてはならないことです。日本で改善できることがあるのか、それとも、架け橋となるべくアメリカの大学でプレーする選手を作っていくのか。八村塁や渡邊雄太らがアメリカの大学でさらに成長したのは事実ですから。いずれにせよ、NCAAでプレーする富永はもっとよくなっていくし、今後は自分の役割をもっと果たさなければならない」

 7月12日に開幕するアジアカップより日本代表に参戦する富樫勇樹(千葉ジェッツ)は、「この2試合を見て思い切りのいい選手だと感じた」と富永を見ており、アジアカップでは「彼の得点力は日本の武器になるので、ポイントガードとして彼を生かせるように、攻撃の視野に入れながらプレーしたい」と語る。このアジアカップから代表に参戦する富樫や渡邊雄太とのコンビネーションプレーは大会の見どころとなる。

 富永は大学のシーズンが始まれば、夏以降に予定されているワールドカップ予選には出場できない。そのためにも、このアジアカップでインパクトを残したいところだ。ホーバスHCが示すように、日本は今、強力な3ポイントシューターを欲している。アジアカップではシューターとしてインパクトを残せるか、富永啓生のパフォーマンスに注目だ。

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