町田瑠唯のWNBAデビューをホーバスHCはどう見たか。「パススキルは世界最高峰。ルイの人気はもっと上がっていくはず」 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 ただ、こうも続けました。『もっとも、今日の君のプレーはよくなかった。だから下げたんだ』。すると彼女は『はい、わかってます』。シュートを決められず、プレーコールも間違え、相手がゾーンディフェンスを敷いているのにマンツーマンのオフェンスコールをしてしまい、ターンオーバーも犯しました。

 彼女自身も、自身のプレーがよくなかったことを理解していたのです。それでも五輪記録に並んだのですから、私もルイも驚きましたよ。それほどまでに、彼女のパススキルは特別なのです」

---- 町田選手について、あまり周囲が知らないと思われることはありますか?

「負けず嫌いなところです。東京五輪の前、代表候補チームのなかでルイはポイントガードの4番手だったのですが、練習ではとにかくディフェンスの強度を高め続け、対峙する選手をヘトヘトにさせていました。彼女はコート上ではそれほどまでに容赦がないですし、精神的にも強いのです。

 ルイはずっと、吉田亜沙美(元ENEOSサンフラワーズ/2021年引退/34歳)や藤岡麻菜美(シャンソンVマジック/28歳)、本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ/28歳)らのバックアップPGでしたから、そうでなければいけなかった。そして、東京五輪でようやくチャンスを得て、飛躍したわけです。

 今の状況に私も喜んでいますが、彼女がそこにたどり着くまでには多くの我慢と、自身を向上させたいという精神的強さを持ち続けました。そうしたことがなければ、今の彼女はありません。彼女はコートに入り、毎回自分の仕事をまっとうする"真のプロフェッショナル"なのです」

---- WNBAで町田選手はどのくらい注目されているのですか?

「テレビで見ていると、アナウンサーや解説者たちはルイのプレーにずいぶんと興奮しているようです。彼女が五輪でどれだけ活躍したかも話しています。なにより、彼女のパス技術が目を引いていて、みんなに刺激を与えています。

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