町田瑠唯のWNBA移籍を実現させたホーバスHCの人脈。アメリカで活躍できる選手は「まだ3人いる」と売り込み中

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

「開幕4試合のうち3試合を見ました。スタッツもチェックしています。チームのPG(ナターシャ・クラウド)の欠場(新型コロナウイルスの濃厚接触者になったため)がありましたし、もうひとりのPGよりもルイのほうが実力的に上なので、先発したことにまったく驚きはしなかったです。

 ただ、そうは言っても、ルイにとってチャンスがもらえたことは大きなこと。NFLでニューイングランド・ペイトリオッツ時代のトム・ブレイディ(史上最多7度のスーパーボウル王者)が当時正QBだったドリュー・ブレッドソーのケガで出番を得たのと同じようなものですね。

 また、先発に選ばれたのは大きなことですが、何よりもいいプレーをしたこと自体が大事なことでした。初先発でいいパフォーマンスをしたからこそ、その次の試合でも再び先発となったのです。彼女自身がいいイメージでプレーすることが大切ですし、そうすることでティボーHCにも好印象を与えます」

---- 町田選手のプレーで目に留まった点はいかがですか?

「私がルイを見ていて思うのは、ディフェンスにおいてもティボーHCをいい意味で驚かせているということです。(パスを通さないように)相手選手の前に立ち、しつこく邪魔をしています。彼女がとても得意にしているところです。そうすることで、ポストアップをさせないようにして、身長差の不利を感じさせていません。

 一方、オフェンスではスリーポイント成功率が42%(取材時)と高い数字なので、今後さらにペイント内へドライブしていけば、相手ディフェンスを引き裂くことができるようになります。ティボーHCもそこに期待をしているはずでしょう。

 ミスティックスでは、ほかの選手がフロントコートにボールを運ぶことも多く、ルイがボールを運ぶのは半分ほど。ルイがボールを運ばない時は、彼女はボールのないウィークサイドのコーナーに位置取りしています。

 ただ、それでは彼女のよさが十分に出るとは思えません。彼女のよさは、早いトランジション(攻守の切り替え)の展開。トランジションとなれば、彼女は迷わず走るべきです。まぁ、これはあくまで私がそう思っていることですけどね」

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