八村塁のNBA3年目をウィザーズ番記者4人が総括。3Pの向上を称賛も、ディフェンスには厳しい指摘 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

ダラル ディフェンス面では一歩、後退したように思う。ドラフトされた直後、チャンシー・ビラップス(現ブレイザーズのヘッドコーチ)が「相似点がある選手」として名を挙げたカワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)とはかけ離れてしまった感もある。フィジカルが武器のフォワードとマッチアップする分にはよかったが、スピード、クイックネスに秀でた選手相手には苦しむ傾向が見られた。

生馬 持ち前の身体能力を生かしたオンボール・ディフェンスは高く評価されていた。しかしシーズン中、オフボール・ディフェンスの時のコミュニケーションや、ヘルプのさじ加減がコーチ陣から課題に挙がっていた。ウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチをはじめとする新しいコーチ陣の「できるだけスイッチをせずに守るシステム」に完全に慣れていなかったのだろう。用語やコンセプトはキャンプ中からじっくりと身につけていくもので、シーズン中に加入しての"ぶっつけ本番"でよくあれだけできたと思うし、場数を重ねればマスターできる部分なのではないかと思う。

 また、八村本人は今季終了後、「リバウンドが課題のひとつ」と話していた。今オフに体をさらに磨き上げ、よりバランスのいい体を作れれば、五分五分で競り合った際のリバウンドを相手からもぎ取れることが増えるのではないか。スイッチしてペリメーター(制限区域の外側で、かつ3Pラインの内側のエリア)で守る機会も多く、リバウンドを簡単には取れないポジションにいる時もあるが、それでも36分平均で8リバウンドくらいは取ってほしい(今季は36分平均で6.1。キャリア通算は6.6)。

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