レブロン、デービスがよくても「リーグ最大の期待外れ」。レイカーズ低迷の要因はどこにあるのか (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP Photo/Alex Gallardo

【圧倒的な強さは手に入らない】

 もちろん停滞はウェストブルックだけの責任ではなく、「32歳の元スピードスターが、後半戦で適応していくのではないか」という期待の声もなくはない。また、レイカーズにはほかに希望を抱かせる要素もある。

 大黒柱のレブロンは1月27日の76ers戦で離脱するまで、直近の18戦ではすべて25得点以上、28戦中20戦で30得点以上と絶好調だった。前述どおり、ここでの故障離脱は不安材料ではあるが、逆にいい休養になる可能性もある。

 さらに、故障から復帰して以降のデービスがいい状態に見えるのも心強い。2シーズン前の優勝の原動力になったレブロン、デービスという2人のスーパースターさえ元気なら、レイカーズには常に伸びしろが残っている。

「『楽観できる』と言い続けているのには理由がある。これまでは3人(レブロン、デービス、ウェストブルック)がほとんど一緒にプレーできていなかった。私たちには向上の余地があるし、(復帰後の)デービスのプレーを見ればそれが強く感じられる。彼らの守備面の多才さを生かして相手をストップし、オープンコートでプレーできれば、私たちは危険なチームになる」

 フランク・ボーゲルHCのそんな言葉どおり、たとえ下位シードでもポストシーズンに進出すれば、レイカーズは"プレーオフで誰も対戦したくないチーム"になるかもしれない。1年でもっとも大事な時期に、「レブロンと勝負したい」と考える選手はほとんどいないはずだ。

 ただ......もともとレイカーズの目標は"危険なチーム"になることではなく、"支配的なチーム"への昇華だった。そして、どんな楽観論者でも、彼らが今季中にその強さを手に入れることは想像できないだろう。

 交換要員に乏しい現状で、2月10日のトレード期限までの大きな補強も期待できそうにない。更迭の噂が流れるボーゲルHCの首をシーズン半ばに切っても多くは変わらないはずだ。

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