平均39.8得点の衝撃から3年。富永啓生の代表入りは間近、日本バスケの救世主となれるか

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

【日本代表入りは2022年夏?】

 また、2021年は東京五輪で3×3の日本代表として活躍。8試合に出場して全選手のうち6番目となるトータル55得点を記録し、チームを準々決勝まで導いた。そして今季、実力が認められてネブラスカ大に編入し、NCAA強豪チームの一員としてプレーしている。

 もちろん、現時点における富永がすぐに日本代表の救世主になれるわけではない。さらなる今後の成長が必要だ。

 現在、ネブラスカ大での富永の成績は、13試合を終えた時点で平均8.5得点、3P成功率はチームナンバー1の記録ではあるものの34.2%にとどまっている(2021年12月31日時点)。ジュニアカレッジ時代と比べれば、NCAAディビジョンⅠのフィジカルの差に苦戦しているのは間違いない。

 しかし、富永はネブラスカ大でもシーズン開幕直後はスターターでなかったように、試合を重ねるごとに信頼を勝ち取ってスターターに抜擢され、試合を重ねるごとに成長している。

 自分より、大きく、強く、速い選手を相手に、どうやってスリーポイントを決めきるか。富永の今後の成長は、そのまま日本代表の成長となり得るだろう。

 アジア地区1次予選Window3(チャイニーズタイペイ戦@6月30日、オーストラリア戦@7月3日)、さらに8月下旬に予定される2次予選Window4の試合に富永が召集されることが濃厚だ。まずは、どんなプレーを披露してくれるか期待したい。

 FIBAバスケットボールワールドカップ2023、そして2024年開催のパリ五輪で、日本がいくつの白星を獲得できるか。富永啓生が希望の光だ。

(第5回:佐藤心結(ゴルフ)無名の女子高生が渋野日向子らとプレーオフ>>)

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