2022.01.04

平均39.8得点の衝撃から3年。富永啓生の代表入りは間近、日本バスケの救世主となれるか

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

【ホーバスHC熱望の3Pシューター】

 銀メダルを獲得した女子代表は、大会を通じてフィールドゴール成功率42.8%だった。アメリカ50.4%、ベルギー47.1%、中国48.1%、フランス46.7%と、上位チームと比べるとかなり低い。

 しかし、日本は3P成功率になると38.4%でトップに躍り出る。ちなみにアメリカは35.1%、ベルギーは32.9%、中国は35.8%、フランスは34.5%だ。さらに1試合の3P試投数は日本が平均31.7本で、アメリカ18.5本、ベルギー21.3本、中国20.3本、フランス23.7本と群を抜いている。

 つまり、高確率で決まる3Pを多投した結果が銀メダル獲得だったと言える。

 バスケットボールという競技において、高さは絶対的な武器になるが、3P成功率はそれすらしのぐ武器になる。

 女子代表に銀メダルをもたらしたトム・ホーバスHCが男子代表のヘッドコーチ(HC)に就任。初陣となった昨年11月の『FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区1次予選Window1』では中国に連敗を喫した。

 この2試合は八村、渡邊が不在で、ホーバスHCも「今は私のシステムに合うパズルのピースを探している段階」と語るように、勝敗以上に選手の選考に重きを置いたことがうかがえる。しかし、採用したファイブアウト(5人全員がアウトサイドのプレーヤーとして攻める戦術)から3Pを重視するという女子代表と酷似したスタイルは、今回は不発に終わったと言わざるをえない。

 より身体能力が高くなり、よりディフェンスのプレッシャーが強くなる男子の試合で、それでも3Pを高確率で決めきる才能を持った、ホーバスHCの理想を具現化できる日本人シューターはいるのか?

 いる。それが、現在NCAAディビジョンⅠのネブラスカ大でプレーするSG富永啓生(とみなが・けいせい/20歳)だ。

 左手から放つ正確無比の3Pシュートを武器に富永は、愛知・桜丘高校3年時の2018年ウィンターカップで平均39.8得点という脅威のスタッツを残し得点王に輝く。高校卒業後に渡米し、日本の短大にあたるレンジャー・カレッジで2年間プレー。平均16.59得点、3P成功率は驚異の48.3%を記録した。