松井啓十郎が「グッときた」SLAM DUNKの言葉。「リングしか見えない瞬間って本当にある」

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro

――その頃、1日どのくらいシュートを打ち込んだんですか?

「1日、4~500本の3Pシュートを決めるまで打っていました。僕は3P、桜木はリング付近のジャンプシュートという違いはありますが、桜木は単純計算1日3千本ですからすごい数ですよね。僕もフリースローなら1日千本打ったことがありますけど、かなりキツかったです。通っていたモントローズ・クリスチャン高校は遠征も多かったので、寄付を募り遠征費などの一部にしていました。支援者の方と"千本フリースローを打つので、1本入るごとに何セントの寄付をしていただけませんか?"と約束を交わし支援を募るんです。なので、たくさん入ったほうが寄付が多く集まる。僕は最高で960本くらい決めました」

――谷沢のアメリカ留学は残念ながらうまくいきませんでしたが、沢北栄治や流川楓もアメリカ留学に挑もうとします。仮定の話になりますが、どちらの選手がアメリカで成功すると思いますか?

「2人とも成功すると思いますし、してもらわないと困ります(笑)。ただ、僕の経験から言うとバスケットのスキルはもちろんですが、同じくらい語学力やコミュニケーション能力が大切です。そもそもアメリカでは一定以上の学業成績を残さなければ部活に参加できませんからね。

バスケにおいてもコーチの指示やチームメイトとの意思疎通において英語とコミュニケーション能力が必要不可欠です。日本人はシャイな人が多く人見知りする人も多い印象があります。もちろん個人差はありますが、アフリカやヨーロッパから来ていた留学生は明るく陽気で、最初は英語が話せなくても、身振り手振りで積極的に思いを伝えようとする選手が多く、当然そのほうがチームメイトと打ち解けるのも早い。そう考えると、口数が少なく、あまり感情を表に出さない流川は、渡米直後は苦戦するかもしれないですね(笑)」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る