八村塁復帰のウィザーズ、プレーオフ進出の可能性は。ファンには悩みも (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ただ、今季は昨季のシーズン再開後に導入された「プレーイン・トーナメント」が引き続き採用されており、10位までのチームに参加資格があるため、今のウィザーズはポストシーズン圏内。"危険なチーム"として、リーグ有数の話題のチームになった印象すらある。

 体調を取り戻したウェストブルックはトリプルダブルを連発し、移籍当初の期待どおりにチームの中心選手になっている。スコアラーのブラッドリー・ビールはリーグ1位の平均31.3得点を挙げ、ウェストブルックとの2大エースとして君臨している。

 八村、ダービス・ベルターンス、ハウル・ネト、イシュ・スミスらサポーティングキャストも、それぞれの形で貢献。また、アレックス・レン、ロビン・ロペス、シーズン中に加入したダニエル・ギャフォードといった"ビッグマン"たちが奮闘しているのも大きい。

「センターの選手たちがすごくいい活躍をして、ゴール下を守ってくれている。その信頼感があるので、僕らウィングプレーヤーは相手の3ポイントシュートを守りやすくなります。ゴール下に(相手選手が)行っても誰かがブロックしてくれるという信頼感が出てきた。そこがいいディフェンスにつながっているんじゃないかと思います」

 そんな八村の言葉どおり、センターの選手が軸になってからウィザーズのディフェンスは急激に向上した。身体能力に秀でたギャフォードのようなリムプロテクター(ゴール近くのディフェンスで活躍する選手)の頑張りがチーム全体に好影響を及ぼし、4月12日以降のディフェンシブ・レイティングはユタ・ジャズに次いでリーグ2位(それ以前は同26位)。常に守備力不足が弱点として挙げられていたとは思えない向上ぶりだ。

 どんなスポーツでも、真の強豪はディフェンスがいいもの。ウィザーズの躍進が一時的なものではなく、リーグ内で"危険"と捉えられ始めている理由はそこにあるのだろう。

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