田臥勇太40歳。身体は動かず、できないことも増加。では、どうする? (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 そして、幸運にも痛みは再発せず、今季2020--21シーズン、田臥はコートに戻ってきた。コンディションを上げている最中ということもあり、現在の出場時間は1試合平均3分6秒にとどまっている(※成績は3月8日時点)。

 もちろん、加齢により以前は当たり前にできたことが今はできなくなっていることも、本人は十分に自覚している。

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 印象的だったのが、1月31日の対サンロッカーズ渋谷戦(大田区総合体育館)。

 第2クォーターの頭から出場した田臥は、開始6秒でドリブルをスティールされて失点。さらに次のプレーでもボールをロストし、相手選手と接触した際、アンスポーツマンライクファウルを吹かれている。

 田臥の、しかも2連続のターンオーバーに、本人も「よく聞こえました」と語るほど、会場は大きくどよめいた。

「僕がマッチアップした関野(剛平)選手は、いいディフェンダーなのはわかっていたし、実際いいディフェンスをしていました。ターンオーバーした瞬間は、自分の不甲斐なさと同時に、オフェンスのチョイスが悪かったなと、まず思いましたね。

 自分のコンディションに関しても、プレッシャーをかけられ、接触した際に足がもつれてしまい、こういうところをもっと上げていかなければいけないんだなって学べました。何よりチームに迷惑をかけてしまったなと。1クォーター、いい終わり方をして、2クォーターの最初、ここでもう一度リズムに乗せたいタイミングで、最悪のターンオーバーだったので。

 本当にチームメイトに感謝です。みんながフォローしてくれて試合に勝てた。ああいう1点、2点が最終的に勝敗に大きく関与する。あのふたつのターンオーバーは、いろいろな意味で、今後のための大きなレッスンになりました」

 そして田臥は、年をとってできないことが増えたことを「楽しい」と続けた。

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