八村塁と渡邊雄太が奮闘。「本命不在」の東地区で抜け出すチームは? (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 後半戦の伸びしろがより大きいのは、10勝14敗と低迷中のヒートかもしれない。故障者と安全衛生プロトコルで多くの選手が欠場し、序盤戦ではイースタン前年王者の面影はなかった。

 ただ、ジミー・バトラー、バム・アデバヨを軸に、ゴラン・ドラギッチ、タイラー・ヒーロー、ダンカン・ロビンソン、エイブリー・ブラッドリーといった多くの好選手を抱えるチームであることに変わりはない。エリック・スポールストラHCの指導力も健在。第6シードからファイナルにまで駆け上がった昨季同様、今季も「プレーオフで対戦したくないチーム」であり続けるのではないか。

 カンファレンス・ファイナルまで進む可能性があるのは、おそらくここまでの7チームだが、ほかにも見どころがあるチームはある。

 マイケル・ジョーダンがオーナーのシャーロット・ホーネッツ(6位)は、新人王候補筆頭のラメロ・ボールを先発起用するようになって以降、注目度がアップした。これまでは影が薄いチームだったが、19歳の司令塔のパスワークには一見の価値あり。復活したゴードン・ヘイワードと共に、2人のキープレーヤーが活躍すればプレーオフ進出もあり得る。

 昨オフに大型補強を行なったアトランタ・ホークス(7位)も爆発力がある。トレイ・ヤング、クリント・カペラ、ジョン・コリンズの周囲をダニーロ・ガリナーリ、ラジョン・ロンドといったベテランが取り囲み、対戦相手を警戒させるチームになった。さらに故障離脱しているボグダン・ボグダノビッチが復帰すれば、後半戦のダークホース的な存在になるかもしれない。

 名門ニューヨーク・ニックス(9位)もようやく復活の気配を見せている。長く低迷を続けてきたが、守備指導に定評のあるトム・シボドーHCが就任した今季はディフェンシブ・レイティングがリーグ6位まで上昇。ジュリアス・ランドル、2年目のRJ・バレット、新人イマニュエル・クイックリーも印象的な働きを見せている。元MVPのデリック・ローズをトレードで呼び戻したあとも、まだ上位進出が狙えるチームではないが、正しい方向に足を踏み出したことは間違いない。

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