36歳レブロン健在のレイカーズが連覇へ。西地区プレーオフ争いは混戦

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 チームディフェンスが向上しているのも好材料だ。昨夏、フロリダ州オーランドの"バブル"で破竹の8連勝を遂げながら、惜しくもポストシーズンを逃したサンズは、今季こそプレーオフの舞台に戻ってくるのではないか。

 ハイレベルなウェスタン・カンファレンスの中でも、カンファレンス・セミファイナル以上に進む4強は、ここまでに挙げた6チームの中から出る可能性が高い。ただ、絶対とは言い切れない。ベテランスコアラーのデマー・デローザンが活躍しているサンアントニオ・スパーズ(6位)、クレイ・トンプソンの故障離脱後も"千両役者"ステフィン・カリーが屋台骨を支えるゴールデンステイト・ウォリアーズ(8位)といった、名門チームの底力も侮れないからだ。

 また、ジェームズ・ハーデン、ラッセル・ウェストブルックがトレードで抜けたあとも、リーグ2位の堅守で巻き返しているヒューストン・ロケッツ(13位)、昨季の新人王ジャ・モラントがケガから戻ってきて臨戦態勢のメンフィス・グリズリーズ(9位)もプレーオフ戦線に踏みとどまるかもしれない。ディアロン・フォックスを軸とした攻撃力で守備難をカバーするサクラメント・キングス(10位)も含め、シーズン中盤戦以降も激しい戦いが続きそうである。

 最後に、ウェスタン・カンファレンスで「期待外れ」となっているチームも挙げておきたい。

 クリス・ポールを放出してチーム再建を図っている最中のオクラホマシティ・サンダー(14位)、主砲カール アンソニー・タウンズが新型コロナウイルス感染で離脱したミネソタ・ティンバーウルヴズ(15位)は仕方ない。ただ、昨季はプレーオフでも健闘したダラス・マーベリックス(以下、マブス)が、15チーム中13位にまで転落すると考えた関係者は少なかっただろう。

 MVP候補に挙げられていたマブスのエース、ルカ・ドンチッチは予想どおりに活躍しているものの、チーム内のケミストリー不足は歴然。次のスーパースターとして期待が大きいドンチッチのプレーをファンが堪能できるよう、今後のマブスの巻き返しを期待したいところだ。

 ザイオン・ウイリアムソン、ブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール といった若手有望株を持つニューオーリンズ・ペリカンズ(12位)も、最初の15戦で10敗とスタートダッシュに失敗した。ただ、2年目の"怪物"ザイオンを軸に徐々に上昇の気配はある。タレント集団がこれからどこまで浮上できるかが楽しみだ。

(イースタン・カンファレス編はこちら>>)

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