コービーが偉大だった数々の理由。唯一ジョーダンの後継者と言える存在だった (4ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

 同じくウォリアーズのカーは、多くが知るように現役時代、シカゴ・ブルズでジョーダンとチームメイトだった。先述のマーキュリーニュース紙の記事内でカーは、97-98年シーズンのオールスターゲームで、まだNBA2年目の若造だったコービーがジョーダンを質問攻めにした光景をよく覚えていると語っている。

「大胆な男だった、というのがふさわしいだろうね。当時は彼があれほどすごい選手になるなどと思いもしなかったけど、彼自身は、いずれはジョーダンのような存在になるのだと信じていた。当時18歳だよ?(実際は19歳) 普通ならジョーダンとマッチアップしたら恐ろしくて仕方ないはずなのに」(カー)

 現在活躍するNBAの選手たちが影響を受けた名前としてジョーダンではなく、コービーを挙げる者が圧倒的に増えた。日本でいえば渡邊雄太(トロント・ラプターズ)なども同様だ。ロサンゼルスを中心とした米・南カリフォルニア一帯出身のポール・ジョージやカワイ・レナード(ともにロサンゼルス・クリッパーズ)などはコービーを「俺たちの時代のジョーダン」という具合で形容している。

 時が経てば現役選手の憧れに、コービーの名前が挙がらなくなる日は当然やってくる。恐らくそう遠くない未来に。ただしNBAにとっては、あるいはバスケットボールという競技にとっては、空に行ってしまったコービーの記憶は、もっと長い間にわたって語り継がれる名前となった。

※敬称略

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