八村塁、NBA2年目のサバイバル。電撃加入したスーパースターとの相性がカギ (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 今季のカギを握るのがウェストブルックであることは間違いない。人気者のウォールが去ったことを寂しく思うファンは多いが、そのウォールをはるかに上回る実績を残し、勝利へのあくなき執念でも知られる32歳のスーパースターが、今のウィザーズにはより必要な選手だったのだろう。

 ウェストブルックは、新天地でもリーダーとしてチームを引っ張っていけるのか。プレーメーカーとしても大きく成長したブラッドリー・ビールとケミストリーを養成し、他の選手たちともうまく噛み合うのか。

「みんなは彼(ウェストブルック)の決意、準備に対するこだわり、勝利に対するこだわりに惚れ込むと思う。ラッセルがチームにもたらす力と、ブラッド(ブラッドリー・ビール)がもたらす力を加えて、チームが前に進んでいくのが楽しみだ」

 オクラホマシティ・サンダーHC時代から、チームのPGだったウェストブルックと固い絆を築いてきたスコット・ブルックスHCのそんな言葉どおりなら、チームの今後が楽しみになる。

 昨季は48試合で平均13.5得点、6.1リバウンド、1.8アシストという好成績をマークした八村にとっても、2年目のポイントはこのウェストブルックと噛み合うかどうかに尽きる。

 このオフシーズン、八村はウォールのプレー映像を見て研究を進めていたという。電撃トレードによってその準備が無駄になったかというと、そうとも言い切れない。共に爆発的な身体能力が自慢の突破型PGという意味で、ウォールとウェストブルックは非常によく似たタイプだからだ。

「(ウォールは)スピードを持ち味とするPG。僕もファーストブレイクで一緒に走れる選手なので、(相性は)いいんじゃないかなと思います。そういう選手がいることで、ディフェンスの注意が集まる分、僕ももっとオープンになる。だから3ポイントシュートがカギになるんじゃないかと思います」

 トレード前のウォールについて聞かれた八村が残した言葉は、そのままウェストブルックとプレーする上でのポイントに置き換えられる。

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