八村塁に求められるエースの役割。「スリーも自信を持って打てる」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 しかし、この日のズーム会見でのコメントは、筆者が知る限り、内容の深みはこれまでの中でベストだったように思う。すでにさまざまな媒体で紹介されているのですべては記さないが、丁寧に言葉を紡いでいく対応に好感を抱いた。

 しばらくメディアからも離れたため、インタビューに新鮮味があったことが大きかったのだろう。または、NBAでの経験が余裕を生んだのかもしれない。ようやく、またバスケットボールをプレーできることの開放感、練習再開後に感じた手応えが、言葉をも滑らかにした部分もあったのではないか。

「体重が増えて、体つきも大きくなったってよく言われます。10ポンド(約4.5キロ)ぐらい増えましたね。そういう時間、時期がほしかった。(コロナの影響で)今回はこういうことになってしまったんですけど、時間を無駄にせず(トレーニングが)できたんじゃないかなと思います」

 実際に、チームのツイッターなどに投稿されている映像や写真を見ても、もともと1年目とは思えないほど逞しかった八村の体はさらに厚みを増したように思える。すでにシーズン再開に向けたトレーニングをスタートさせ、そのボディを有効に使えている手応えもあるのだろう。

「スリーポイントシュートも、より自信を持って打てるようになりました。まだ対人(のプレー)とかはやってないんですが、僕の体ができてきていることが(いいほうに)出ると思うので、プレーするのがすごく楽しみです」

 こういった八村の言葉からは、再びコートに立てることへの興奮が伝わってくる。長い中断が厳しいものだったことは容易に想像できるが、その時間をうまく使えたのであれば、本人だけでなく、周囲も今後に期待せずにはいられない。

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