NBA再開で気になる八村塁とウィザーズ。PO進出にはデメリットがある (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 8試合を戦うために集まる22チームは、優勝、上位進出といった目標がある強豪ばかり。そんな中で、八村、トーマス・ブライアント、トロイ・ブラウン・ジュニア、イザック・ボンガ、モーリツ・バグナーといった20代前半の選手たちが、どれだけやれるかが見どころになる。

 ここまで長々とプレーオフ進出時のデメリットを述べてきたが、いずれにしてもウィザーズがそこまで辿り着く可能性は低い。各チームの調整不足という波乱の要素はあっても、超えなければいけないハードルが多すぎるからだ。ビール、ベルターンスをフル回転させても難しさは同じで、すぐに消化ゲームに近い雰囲気になることも予想される。

 そんな舞台ではあっても、いや、そんな舞台だからこそ、八村のような"ヤングスター"は遠慮なく思い切ったプレーができるはずだ。上位チームにとっては勝負の場だが、ウィザーズにとってリーグ再開後の8試合は、コートから遠ざかっていた鬱憤を爆発させるとともに、腕を磨き、胸を借り、経験を積むためのステージになる。

 来季以降のさらなる飛躍が期待される八村も、プレーオフは意識しすぎず、力試しのつもりでのびのびとプレーすればいい。たった8戦でも、12月まで緊張感のあるゲームから離れてしまうよりもはるかにいいはずだ。ここで力強いステップを踏み出せたら、オーランドでの時間は貴重なものとして記憶されるかもしれない。

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